俺の宝物は、お前の笑顔。
「ねぇねぇ、星野さんと久保田さんは何か考えたー?」
女の子達は椅子に座ったまま、あたし達に近づいてきた。
「せっかくだし、言ったほうがいいんじゃない?」
肘であたしの腰を小突きながら、愛菜は小声でそう言ってくる。
「ワッフルなんてどうかな?」
つられるように、あたしはそう言ってしまった。
「ワッフル……。どんなメニュー出そっか?」
「定番なのは、プレーンとイチゴとチョコとー……」
「抹茶は? わたし、おばあちゃんが京都に住んでて、ついこないだまた抹茶が届いたばかりなの! 京都の宇治抹茶味のワッフル、作りたいんだけどどうかな?」
「京都の宇治抹茶? サイコーじゃん!」
その子達は、あたし達をよそに勝手に盛り上がっている。
なんか、自動的にワッフルを売ることが決定したみたいなくらい、ハイスピードで話が進んじゃっているけれど……いいのかな?