俺の宝物は、お前の笑顔。

「ゆりあちゃーん!」



開店して間もなく、可愛らしい子供の声があたしを呼んだ。



「瑠夏ちゃん!」



声のする方を見ると、愛菜ママと手を繋いでいる愛菜の妹の瑠夏ちゃんが、大きく手をブンブン振っていた。



「ワッフルだぁ……!」



瑠夏ちゃんは、愛菜そっくりの、黒目がちの瞳をまるで星空のようにキラキラと輝かせた。



「ワッフル、美味しいよー。買ってく?」



あたしがニコニコと問いかけると、瑠夏ちゃんは愛菜ママとアイコンタクトを取って頷いてから、



「えっとそれじゃあ……いちごワッフルに、生クリームのトッピングお願いします!」



と元気に注文してくれた。



「はーい! いちごワッフル、生クリームのトッピング入りましたー!」



あたしは裏でワッフルを焼いたり、トッピングをしたりしてくれる子に声をかけた。


彼女達は手際よくワッフルを焼いて、きれいに生クリームを乗せる。



「瑠夏ちゃん、お待たせしました! 生クリームをトッピングした、いちごワッフルでーす!」



「ありがとう!」



瑠夏ちゃんは、いちごワッフルを受け取ってパクッとかじりついた。



「美味しいー!」



……はあ〜、もう可愛い! かっわいい! 何度も思うけど、天使。
瑠夏ちゃんを見ていると、この世に天使って存在するんだ、と思ってしまうくらいだ。




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