俺の宝物は、お前の笑顔。
「おーい、ゆりあー! 健二と久保田も! そろそろシフトの時間じゃねーの?」
声が聞こえたので見てみると、スーパーボール救いの係をしていた宗馬の声が聞こえた。
そっか、宗馬もシフト表とか確認してたんだ。
宗馬とあたし達、仕事する時間が一緒だったなんて知らなかった。
「うん、次の人もう来るよ」
愛菜も、シフト表を見ながらこっちに来てくれたみたい。
「あ、もうシフトの時間だ。行こ」
時計を見てから、あたしは高畑くんにそう声をかけた。
……中学生の頃、クラス全員と友達だったからよくこう言っていたのが癖になっちゃったみたいだ。
案の定、彼は「は?」と言いたげな顔をしている。
「はぁー。なんで俺がお前と一緒に……」
……久しぶりに出ましたね、『お前』が。
さすがに『お前』呼びは治してもらいますよ。
「星野 ゆりあ!」
「分かった分かった。なんで俺が星野と一緒に行動することになるの……」
「なんであたしピンポイントなの!? 愛菜や宗馬もいるのに、あたしだけがいちゃいけないってこと!?」
「いいんじゃねえ? 俺ら、こないだライブ行ったメンバーだし。あの時のこと思い出せば抵抗ないだろ」
ほらね、とあたしは高畑くんを見つめる。
「ああ、分かった分かった! 時間なくなるし」