吸い込んで、夏。
「……ん、できた」
渡され、まばたき。
「それ、上月の」
「あ、ありがとう!」
「シロップかけていいよ。おれは自分のつくる」
クーラーボックスの隣に置かれた、みぞれを手に取る。
かけると、その重みに負けてなのか、その熱に負けてなのか。高さが幾分か低くなる。沈む。
それを見る瞬間が、すきだ。
かき氷ってだけで、あー夏だ。そう思うのに、この瞬間を見るとさらに夏だと思う。
お皿は、人気のキャラクターのものだった。なんだったか。名前は忘れてしまったけれど。ファンシーだ。
千代田の意外な一面が、多すぎる。
今日は千代田のこと、たくさん知れるかな。
うれしくなる。