ひと夏の守護天使
 1人で過ごす以上、端末の操作のレクチャーは受けていたし、端末操作は小学校でも教えている常識でもある。

「なんだこれ、異常無しだ?」

 画面のウインドウには島の全ての警備システムが正常値であり、異常はないと表示させていた。

「そんな馬鹿な、じゃあ、連中は」

 ポインタで回線を開く、ダイレクトの二重回線だ。

 この回線は、システムが警備状況を本社へ自動転送しているので、切られていればこちらと本社の双方でエラーが表示される。

 回線のウインドウは問題なく開いた。

 本社端末に繋がるリアルタイム動画像通信、つまりTV電話だ。

 しかし、そのウインドウに映ったのは、自分の顔だった。

「!」

 わけが判らず、端末から立ち上がる。

 ウインドウの自分も立ち上がり、後ずさる。

 その画像は、今の自分だった。
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