【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。
□野獣とのキス
「篠崎くん、これお願いしてもいいかしら?」
「はい。分かりました」
仕事をしている篠崎さんの姿を、じっと目で追った。
あの日以来、篠崎さんは私とふたりだけになると、俺様な口調になり、がらっと豹変してしまう。
彼のメガネをかけている姿と、メガネを外した姿は、まるっきり違くて、いつもビクビクしてしまう。
カッコイイから、本当にカッコイイから、好きになってしまったのだけど。
本当に、彼を好きになった自分を恨みたくなった。
けれど、仕事している姿は本当に素敵だから、憎めないのは確かなのだ。
だって今日も、カッコイイんだから。
本当に、素敵な人なんだ。
「太田さん、俺のデスクにある青いファイル取ってくれる?」
「あっ、はい……!」
篠崎さんのデスクから、青いファイルを取り出し、篠崎さんの所へ向かった。
「篠崎さん、どうぞ。ファイルです……」
「ありがとう。そこ置いてといてくれ」
「あっ、はい……」