【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。
「……そろそろ、行こうか」
「はい。行きましょう」
「チャペルで、待ってるからな?」
「……はい。待っていてください」
チャペルに入る入口に向かうと、お父さんが静かに待っていた。
お父さんは、隣で優しく微笑んでいた。
「……文香、キレイだな」
「ありがとう、お父さん。……わたし、お父さんの娘でよかった」
「なんだ急に?」
「わたし、お父さんやお母さんみたいに、幸せな家庭を築いていきたい。必ず、幸せになるからね?」
「……文香、幸せになりなさい。素敵な旦那さんと巡り会えたんだ。これ以上ないってくらい、幸せになりなさい」
「はい。お父さん」
そして私はお父さんの腕を組み、扉が開くのを待った。