【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。
「おはよう太田」
「おっ、おおお、おはようございます!」
次の日、篠崎さんは何事もなかったかのように出勤してきた。
……え?覚えてないのかな?昨日のこと。
「……なんだ?俺の顔に何か付いてるか?」
「い、いえ……!なんでもないです!」
私はそのまま自販機に行くため慌てて逃げるように走っていった。
はぁ……。落ち着け私。
「昨日のは、たぶん間違いよ。夢よ夢……夢に、決まってる……?」
いやいや!現実だったよきっと!
だって、篠崎さんの唇、柔らかかったもん!
お酒の香りだって……!
「おはよう、太田」
「うわぁあああ!」
「わりぃ! 驚かせるつもりはなかったんだけど……!」
広沢くんに肩を叩かれ、思わず飛び上がってしまった。
「私こそごめん!ビックリしちゃって……!」
「どうした?」
「いや、ちょっと……考え事!」
「仕事のことなら、いつでも相談乗るからな」
「ありがとう」