【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。





「いや、勝手にって……!」

「仕方ないだろ?俺に言い寄ってくる女は、たくさんいるんだから」

「……え?」

「え?じゃねぇ」

「……おモテになるお方は、罪ですね」

「俺だっていい迷惑してるんだ。好きで好まれたいと思ってない」

「でもこの前、給湯室で女の子とキスしてましたよね?」

「あと、昨日、お前ともな?」

「なっ……!なななっ……!」




思い出してしまった。
忘れていた記憶を、頭から消し去ったつもりだったのに……!!





「……なんだ?俺が昨日のこと、忘れたとでも思ってたのか?」

「だ、だってそれはっ! お酒入ってましたし……!」

「お前とのキス、忘れるわけないだろ?」

「……へっ!?」

「甘いニオイがしたから」

「いや、でも、それは!お酒飲んでましたし……!」

「違うよ」

「えっ、違うって……?」

ど、どういう意味……? 

「ーーーお前の付けてる香水のニオイだった」

「……気付いてたん、ですか」



< 29 / 206 >

この作品をシェア

pagetop