【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。
「……当たり前だろ?今もその香水、付けてるの知ってるし」
「ま、参りました……」
篠崎さんには、敵わない。
ちょっとの変化さえ、見抜かれてしまう。
「……これからは俺の前でだけ、それ付けて。他の男の前では絶対に付けるな」
「えっ、あのっ……篠崎さん?」
「……お前、好きなんだろ?俺のこと」
「そ、そうですけど……。それが、あの、何か……?」
なぜかまた、だんだんと篠崎さんの顔が近づいてきて……。
私の頬に手を当てて、撫でる。
「……顔、赤くなってるけど?」
「だって、それは……。篠崎さんのせい、ですよ……」
「それはだって、俺のこと好きだからだろ?」
「違いまっ……いや、違わないですけど……」
なぜだか私、本当にドキドキして。
目を合わせるのができない。
「……キス、するけどいいの?」
「えっと……それは、本気ですか……?」
「本気だけど? なんなら、試してみる?」
「えっ……」
その瞬間に、篠崎さんの唇がまた、私の唇に触れた……。