【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。
戻ると、隣に座っていた小川詩織さんにそう声をかけられた。
「まぁ、はい……。でも、やっぱり尊敬します。仕事熱心で、ストイックで、思いやりがあって。とても素敵だと思います」
「まぁね。彼はそういう人だから。厳しいかもだけど、頑張って」
「ありがとうございます」
「お待たせ太田。待たせたな」
「はい」
「よし、始めるか」
「……はい」
篠崎さんとまた別の部屋移動し、カギをかけて、研修が始まった。
……かと思ったら。
「……お前、アイツとあんまり喋るなよ」
「えっ?アイツって……?」
「さっきの同期」
「……え?どうして、ですか?」
「言ったろ?俺以外の男と話すな。興味を示すなって」
「……どうして、そういうこと、言うんですか?」
「お前は、俺のものだから」
「……へ?」
「お前が俺が好きなんだから、俺だけ見てろよ」
「……あの、その、なんでそんなこと言うんですか?」
「……なんつーか、腹立つから」