【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。
「……篠崎さん?」
篠崎さんは、私の手を握ったまま、私を見つめていた。
「……お前って、顔小さいんだな」
「そ、そうですか……?」
「ああ。あとほっぺが柔らかい」
「ほ、ほっぺ、ですか?」
篠崎さんがほっぺって言うと、なんだかカワイイ……。
もしかしてこれを、ギャップ萌えと言うんだろうか……?
「そう。あとこの、長い髪がいい。サラサラしてて、なめらかで……」
「あっ、ありがとう、ございます……」
「文香って、本当に魅力的な女だな。……手放すのがもったいないくらいだ」
「……そ、そうですか?」
あ、あれ……。
もしかして篠崎さんって……。
もしかしてだけど……。
「……あの、酔ってます?」
「ん?いや、そんなことないけど……」
「だってなんか、さっきから私のこと褒めてくださってるから……」
「……彼女を褒めて、何が悪いんだ?本当のことを言っただけだよ、俺は」
「は、はぁ……」