【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。
「……文香、今度ふたりで、旅行にでも行こうか?」
「えっ……!りょ、旅行ですか!?」
「そう。旅行」
その提案があったのは、篠崎さんと付き合いはじめてしばらく経った頃のことだった。
私は仕事も落ち着いてきて、慣れ始めた頃を見つけて、そう言ってくれた。
りょ、旅行!?
篠崎さんと二人で旅行〜……!?
「なんだ?イヤなのか?」
「い、いえ!行きたいです!連れてってください!」
「決まりだな。よし、じゃあ来週の3連休に行こう」
「はい。楽しみです」
休憩所でそんな話をしていると、広沢くんが急に休憩所に入ってきた。
ふと、私たちと目が合う。
「……お疲れ様です」
「お疲れ様」
……なんか、私たちちょっと気まずい?
篠崎さんに、広沢くんが私のことを好きだと聞いたあの日以来、あまり話をしていなかった。
「……篠崎さん、私企画書の直ししてきます」
「ああ。直したらまたもってこい」