【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。
「太田さん」
「はいっ!」
「悪いんだけど、経理部へ行って、これを経費で落とせるか聞いてきてくれる?」
「分かりました」
経理部……。
広沢くんがいるんだよね。
ちょっと気まずい……。
どうしよう?
「部長、それなら俺が行きます。ちょうど経理部へ用事があるので」
「そう?お願いできる?」
「はい。そうだ、太田も行こう。教えておきたいことがある」
「はい!」
よかった。篠崎さんがフォローしてくれたおかげで、助かった。
感謝、感謝。
「……文香」
「はい?なんでしょうか?」
「……旅行は、温泉にしようか」
「温泉?いいですね!」
「じゃあ決まりだな」
「……楽しみです。すごく、楽しみ」
「初めての旅行だ。楽しもうな」
「はい!」
篠崎さんと二人で旅行なんて、想像してなかった。
どんな服を着ようか、どんなメイクにしようか。
ワクワクが止まらない。