【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。




「失礼します。お疲れ様です。営業企画部の篠崎です」

「篠崎さん、お疲れ様です。どうされました?」

「ちょっと確認したいことがあるんですが、よろしいでしょうか?」

「どうぞ」

「あの、この前の出張の交通費を経費で精算したいんですが、やり方が違ったみたいで。合ってるか確認してもらえますか?」

「はい。少々お待ちください」





私はその間、経理部の外で待つことにした。
すると目の前に、広沢くんが歩いてきた。





「……あっ」

「おーお疲れ。なにしてんの?」

「あっ……経費の精算しようと思って、確認を」

「……ふーん。そういや、篠崎さんと旅行行くのか?」

「えっ!?なんで……!」

「さっき休憩所で、篠崎さんのスマホの画面見たら、篠崎さん温泉探してたから。……もしかしてと思ってさ」

「そ、そうなんだ……」

「行くんだろ?旅行」

「……うん。行く」




広沢くんが悲しい顔をしているのは、イヤでも分かった。
本当にごめんって、思ってる。





< 69 / 206 >

この作品をシェア

pagetop