【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。
「失礼します。お疲れ様です。営業企画部の篠崎です」
「篠崎さん、お疲れ様です。どうされました?」
「ちょっと確認したいことがあるんですが、よろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「あの、この前の出張の交通費を経費で精算したいんですが、やり方が違ったみたいで。合ってるか確認してもらえますか?」
「はい。少々お待ちください」
私はその間、経理部の外で待つことにした。
すると目の前に、広沢くんが歩いてきた。
「……あっ」
「おーお疲れ。なにしてんの?」
「あっ……経費の精算しようと思って、確認を」
「……ふーん。そういや、篠崎さんと旅行行くのか?」
「えっ!?なんで……!」
「さっき休憩所で、篠崎さんのスマホの画面見たら、篠崎さん温泉探してたから。……もしかしてと思ってさ」
「そ、そうなんだ……」
「行くんだろ?旅行」
「……うん。行く」
広沢くんが悲しい顔をしているのは、イヤでも分かった。
本当にごめんって、思ってる。