【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。
「とぼけてもムダだ。お前、俺がこの前キスしてた相手探し回ってるだろ?」
「っ!?」
えっ!バレてる……!
なんで!?
「……やっぱりな。見なかったことにしろって言ったよな?」
「……そ、それはムリです!」
「はっ?なんでだよ?」
「……だって、見てしまったからです!」
「……はっ?」
「だってキスなんてしてたら、普通は相手が誰だか気になります! か、彼女……だって、分かりましたし……!」
「……アイツ、彼女じゃないけど?」
「へっ!? そ、そうなんですか……?」
「ああ。アイツにキスしてって言われたから、キスしただけだけど?」
「……っ!?」
篠崎さん……。
私の好きな篠崎さんは、一体どこへ?
あんなに優しくて、好青年だった、篠崎さんはどこへ行ってしまったんでしょうか……?
今私の目の前にいるのは、私の知っている篠崎さんではなく、別人みたいだった……。
「……言っとくけど俺、お前が思ってるより優しくなんてないけど?」