死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
やっと…死ねるよ…


そう思った。


死ねる…こんな嬉しいことは無い。


そう思って飛び降りた。


だけど…


「いたたた…」


あれ?生きてる?


ってか…なんで隣にこいつが居んの?


「おーい、生きてますか?」


もしかして死んじゃた的な?


「死んじゃった…の?」


と言葉にすると


「勝手に俺を…殺すな…」


えっ?!あれで生きてるの?!じゃなくて、


「なんであの時一緒に飛び降りたのよ。あんたも実は死にたかったみたいな?」


「そんなわけあるか!!」


じゃあなんで飛び降りたのよ。意味わかんない人。


「ったく…心配かけんなよ。それにしても…お前すごいな。」


すごい?


と首をかしげると


「あんなに高いところから飛び降りてよくかすり傷ぐらいですんだな。」


そうだよね…ほんとに私は運が悪い。


「やっと…死ねると思ったのに…このザマか…」


それにしてもあんたも凄いと思うけど…


「あんた怪我してんじゃん。」


「いや、それを言うとお前も怪我して「いいから手出して。」


私は璃羽都の話も聞かずに手を手当する。


まぁ、道具が限られているからちょっとした手当だけど…


「巻き込んで悪かったわね。あんたは帰りなよ。」


私は私で他の死に場所を探すとしますか。


「待てよ。」


「ん?何よ。」


「俺の家に来いよ。どうせ今日も行くとこないんだろ?」


はぁ?


「行くわけ「着いてこい!!」


手首を捕まれ、こいつの家まで連行された。


変な人…


私の事なんてほっとけばいいのに…


ほんとに変な人…


いや、変なのは私も同じか。


いつもならちゃんと振り払えるはずなのに、どうしても今回は振り払えなかった。


この人はなぜ、そんな悲しそうな顔して私に話しかけるんだろう。


本当に変な人…
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