死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
分かっていたけど…私は深入りしすぎた。


だから…今、迷っている。


詩雨のためなら切り捨てる。そう。私はお父さんや、お母さんが死んだ時に誓ったんだ。


詩雨は何としてでも見つける。そして…詩雨の為なら何でもするって。


だから…雷鬼の人達と蹴りをつけよう。


次の仕事で。


と思っているときだった。


ガチャ


扉が開き入ってきたのは


「仕事の日程が決まった。」


霖也だった。


「仕事って…雷鬼の…?」


「あぁ。来週の金曜日の夜7時だ。」


来週…


霖也の話を聞いて下を向いていると


「お前、分かってるよなぁ?」


「これが失敗したらどうなるか。」


わかってる。


「先に言っとくが、今回の仕事はアイツも一緒だ。」


「っ…詩雨を連れてく気?!」


「あぁ。」


「なんで?!詩雨には族潰しはさせないって…」


私は大声で霖也に言うと


「今回は族潰しじゃねぇー。決闘だよ。」


決闘…?


「俺らと雷鬼はなっが〜い、因縁があってな。」


「そろそろ決着をっと。」


「俺らの組長様が。」


組…長…


「っ…?!」


「知らなかったって顔だな。」


「まぁ、教えたこと無かったし当たり前だ。」


どういうこと?!


コイツたちは暴走族じゃないの?!


「俺らはヤクザだ。まぁ、暴走族にも加入してるけどな。」


ヤクザ…


そんな話…聞いてない。


「詩雨は…詩雨は知ってるの?」


「さぁーな。アイツは何を考えてるか分かんねぇーからな。」


「しかも、他の連中は俺がヤクザって言うことも知らないらしーからな。」


詩雨…


「詩雨の手を汚させたら、タダじゃ済ませないから。」


詩雨だけでも普通の道を。


「雷鬼の決戦日、私は何をすればいいの?」


「おっ。気が早いねぇ…助かるよ。」


相変わらずの気持ち悪い笑みでこちらを見る。


「決戦日、お前には…」


「っ…?!」
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