死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「なんで…未雨がここに…」


「なんでって…コイツが呼んだから来ただけ」


と言って私は霖也を指さした。


「俺が聞きたいのはそんな事じゃねぇ。なんで今まで帰ってこなかった。」


「…」


璃羽都…


「用事があったから。」


と言い、霖也を見ると


"早くトドメをさせ''とでも言っているような顔をした。


本当に汚い人たち。


そんな事までして雷鬼を潰したいの?


そう思いながら霖也を見ていると


「未雨は…なんでコイツと居んの?」


璃羽都が聞いてきた。


「私がコイツと居るのは…」


言わないと。


言わないといけないけど…言いたくない。


私が黙っていると


「未雨。わかってるよな?」


霖也が私の耳元で囁いた。


「っ…私が霖也と居るのは、私が霖也の仲間だから。」


「はっ?」


すると璃羽都は"意味がわからない"とでも言うような顔をした。


璃羽都が私の言葉でアンタに負けるわけない。


璃羽都は強い。アンタを潰して、今度は裏切りもんの私を潰すに決まってる。


璃羽都は私に何を言われようが何とも思わない…はず…なのに…


なんで?


なんでそんな顔をしてんの?


「ほんとに言ってるのか?」


「っ…。えぇ。本当よ。私が嘘つくわけないでしょ?」


「私が雷鬼のみんなと仲良くしたのもこの計画のため。」


「ほんとーに、疲れた。やっとアンタ達と縁が切れるわ。」


私は自分を悪役に見せるために笑ってみせる。


嫌われるんだ。


どうせなら…いっその事私を恨んで欲しい。


詩雨の為なんだ。だから…


璃羽都…アンタ達を裏切る。


ごめんね。


だから、私を恨んで。


「何?私を本気で仲間とでもおもってた?」


「ありえなーい。私がいつアンタたちのことを仲間と言ったのよ。」


「1度も言ってないし、思ったことも無いわ。」


これだけ言えば私を恨む。
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