死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「ほら。入れよ」


と家に招かれ入る。


「お邪魔…します…」


一応、人の家だし…ね?


と挨拶をして家に入る。


昨日も思ったけど…この人の部屋は綺麗だ…


男の人って部屋は汚いものじゃないの?


「じっと見てなんだよ。」


「別に…」


素っ気ない言葉を返す。


私の事なんてほっときなよ。


どうせ…裏切られるんだよ?


それなら…いっそ信じない方がいい…


1人の方が…


「おーい。聞いてんのか?」


「何よ。」


なんて言うと


「まだ死にたいか?」


と聞かれた。


はぁ?そんなこと…


「当たり前でしょ。それが私の願いなんだから。」


私はそれが当たり前のように答える。


「そっか…じゃあさ、この人生が楽しいと思えたら生きるか?」


楽しい?こんなつまらない人生が?


「そうだったら…生きるのかもね…」


と言うと、


「だったら俺がお前の人生を楽しくしてやる。だから生きてみないか?」


「えっ?…」


何よ…それ…


意味なんて無いのに?


「なっ?別にいいだろ?」


「どうせ生きたいなんて…1ミリも思わない。」


「それでもいいよ。だからさ、1年だけでもいいから試しで俺と生きてみないか?」


ほんとに変わってる人…


別にあとは死ぬだけだし…悪くないのかもね。


「1年…だからね。そしたら私は死ぬ。」


「あぁ。でも俺は死なせない。死にたくないって思わせてやるよ。」


とニコッと笑って


「それよりさ、名前をいい加減教えてくれよ。」
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