死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「咲夜…私をここから出して。」


「それは…できない。」


「私がbaideddoを潰す。」


「はぁ?未雨、自分が何を言ってるかわかってるのか?」


わかってるよ。馬鹿なこと言ってるのは。


だけどね、


「私が潰さないで他に誰が潰すって言うの?」


この悪組織を…


私がそう言うと咲夜は下唇をかみ締めて


「そんなの…俺もわかってるさ。」


と呟いて


バンッ!!!!


大きな音がなるほど強く壁を殴った。


「…えっ?」


「フゥ…俺も決めたよ。」


そう言って咲夜は私をまっすぐと見つめ、


「…一緒にbaideddoを潰そう。」


と言い出した。


「はぁ?咲夜…あんたには家族が…」


「あぁ。家族は大事さ。だから、家族のためだったら、霖也の言うことを聞こうと思った。けど俺は見たんだよ。」


見た?


「家族のみんなが…泣いて、怯えてる姿を。俺は幸せに暮らしてると…思ってたんだ。最近まで。だけど違ってた。俺の家族は暴力を受けてたんだよ。」


「俺の家族は、こんなことなら…死にたいなんて言い出した。俺の家族は…死ぬ気だ。だったら…baideddoを潰した方がいい。」


「それに、未雨お前だって大事な家族がいるだろ?お前だけにこんな事をさせる訳にはいかないさ。」


咲夜は悲しそうな顔で言った。


「咲夜…」


「だから、俺も協力してやるよ。」


と言って咲夜はドアの方向に向き直り


「普、お前も俺と同じだろ?」


普?


咲夜が突然ここにいないはずの普に問いかけるからビックリしていると


ガチャ


とドアが開いて


「やっぱり俺がいること分かってたんだな。」


普がそう言いながら部屋に入ってきた。
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