死にたがり屋の少女は暴走族と・・・

同居人の正体は

「おーい、未雨。起きろよ…」


「おーい…」


誰?私の名前を呼ぶのは。


この声…


と思いガバッと勢いよく起きると


「やっと起きたか。」


「やっと?」


「何回呼んでも起きなかったんだぜ?」


あっ…私この人の家でお世話になってたんだっけ?


「それより、早く支度しろよ?」


「支度?」


「忘れたのか?今日一緒に行くんだろ?」


そうだった…


「ごめん…急いで準備してくる…」


とあわてて準備をし下に降りると


「お前、バイク乗れっか?」


バイク…?


「後ろに乗れよ。」


どうやら璃羽都はバイクに乗れるらしい。


私はと言うと…


頑張って乗ろうとするものの…


乗れない…何故?!


と慌てていると


前で肩を震わせて笑っている奴がいた。


「何よ!!乗れなくて悪い?」


なんて声をあげる。


すると璃羽都は軽々と私を持ち上げ後ろに乗せた。


「これで乗れたろ?しっかり捕まってろよ?」


といいバイクは動き出した。


これじゃ…振り飛ばされちゃう…


と思ったら私の手を璃羽都の腰にまわさせられた。


「えっ?ちょ、ちょっと!!」


「しっかりここに捕まってろ。落ちるぞ。」


ゔぅ…落ちるのは…。ん?でも落ちたら死ねるんじゃ?


と手の力を緩めると


「死んだら許さないからな!!ってかここで死なれたら俺が刑務所行きだから止めろよ?しかも約束したろ?1年間は絶てぇー死なねぇーてな。」


と言われ死ねなくなった。


死にたいけど…流石にこの人を刑務所行きにさせる訳には…。しかも…約束を破る訳にはいかないから。


そんなことを考えているとあっという間に目的地に着いたらしい。


そこは大きな建物の前だった。
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