死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「俺は知ってて未雨を助けに来たんだ。」


知ってて…私を助けに来た?


なんで…どうして…私を助けに来たの?


「俺には…俺らには未雨が必要なんだよ!!」


「だから、俺の仲間を返してもらうぞ!」


璃羽都…


「霖也、降りてこい!!降りてきて、俺と正々堂々と勝負しろ!!」


璃羽都が下から叫ぶと


「チッ…めんどくせぇ」


そう言いながら霖也が私たちから離れ、下に降りていった。


そして、霖也の姿が見えなくなると


「みんな…今のうちに逃げる準備をして」


「霖也に隙が出た瞬間…逃げるよ?」


と言い、自分も逃げる準備をした。


あとは、霖也が隙を見せるだけ。


本当は手首の縄が解ければもっといいんだけど…


霖也を見ながら縄を解こうとするが中々解けない。


それは皆同じようで、手首を捻っても動かしても解けなかった。


「クソッ…全然解けねぇ。」


「この縄どうなってんだよ!」


みんな苦戦していたのに、


「僕…解けましたよ?」


拓斗が解いた縄を見せた。


えっ?


「解けたの?!」


「えぇ。意外と簡単でした」


「「…」」


簡単でした?!


これ、結構ムズいよ?


拓斗…何者?!


「おい、拓斗。俺らのも解いてくれ」


「今から解きますね」


そう言うと拓斗は次々にみんなの縄を解いていった。


そして全員の縄が解け、この場から離れようとした時だった。


「逃げる気か?」


「っ…優斗(ユウト)」


私たちを…捕まえに来たのね


逃がしはしないってわけか。


「みんな…今すぐ走って逃げて」


「えっ?未雨さんは?!」


「私なら大丈夫だから。ここで皆捕まっちゃったら元も子もないでしょ?」


そう言って私はみんなの前に出て手を広げる


この子達に手を出させるものですか。
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