死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「…どうしてそれを!!」


その話は警察の人しか知らないはずなのに…


「君も知っていたんだな。で、その詩雨を我々が探してあげよう。という話さ」


詩雨を…この人たちが?


「なんで?」


「君が探してるからだ。君が俺のとこに来ると言うなら探してやるってことさ。」


「条件付きで…ね?」


この顔…


悪い顔だ。


「条件って?」


「俺ら、baideddoという族に加わり、俺の言う通りにすることだ。」


族?


「私、喧嘩とか出来ないよ?」


「俺が喧嘩を教えてやる。さぁ、どうする?」


どうする…か…


私には詩雨しか居ないんだ。


少しでも…少しでも可能性があるのなら…


「わかった。私、アンタのとこに行く。アンタの名前は?」


「霖也だ。まぁ、名乗ってもお前は俺の事名前で呼ばねぇーだろ?」


「なんでそう思うの?」


「何となく。そんな気がしただけだ」


ゾクッ…


この人は本当にヤバい人かもしれない。


けど、私はどうなってもいい。


詩雨が見つかり、詩雨が幸せを掴んだ時、私は死ぬ。


この人といれば私は汚い道を歩かなきゃ行かないのだろう。


だったら、詩雨を見つけ次第死んでやる。


詩雨が幸せでいるのが分かったら…私は消える。


それまで


それまで…コイツらに従ってやる。


13歳の私はその決意を胸に霖也との道を歩き出した。


それから…喧嘩も強くなり、裏社会では恐れられるほどになった。


そのうち、たった一つの感情を残して残りの感情を捨ててしまった。


捨てたはずなのに…


璃羽都…あんたに出会って…


私はおかしくなった。


"楽しい"と思ってしまった


今なら…"死にたくない"なんて思ってしまう。


今更何言ってんだ。って話なのはわかってる。


本当に璃羽都達といると私はおかしくなってしまう。


もっと…もっと早く璃羽都達に会いたかったな。


私は…最後の最後で気づかされたんだ。


生きる意味とは何か。


ねぇ、璃羽都。


アンタのお陰で私は気づけたんだよ?

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