死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
嘘だよな?


未雨!!


目の前で動かない未雨を俺は抱きしめて


「未雨…。絶対、絶対に死なさねぇーから」


そう呟いて未雨をお姫様抱っこし、病院まで行こうとした時だった。


「チッ。未雨のやつ邪魔しやがって…」


「璃羽都はまだ生きてるじゃねぇーか」


霖也がそう言いながら俺の行く手をふさいだ。


「そこを通せ。一刻も早くコイツを…未雨を連れてかねぇーといけないんだよ」


「そんなの俺の知ったこっちゃねぇーよ」


「コイツから弾に突っ込んだんだ。しかも、コイツは死にたがってた。それがこいつの本望だろ?」


「だったらそのままにしとけよ」


「…ちげぇ」


「あぁ?なんっっーたんだ?」


「ちげぇーんだよ!!」


「何が違うんだよ?」


ちげぇ。未雨は言ったんだ。


「コイツは死にたくないって言ったんだよ!!!!!!!」


「だから、俺の邪魔をするな!」


と叫んだ時だった。
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