死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「それはどういう事だ?」


「命に別状は無かったらしいが、それとは別で脳と身体に大きな負担をかけたせいで…」


「目を覚ますか分からないと言われた」


「そんな…総長、嘘ですよね?嘘と…嘘と言ってください!!」


なんて大声で言う大智に


「おい、大智落ち着け!!」


蓮が落ち着けさせようとするも


「うるせぇ!」


何を言っても無駄な大智


「俺は、俺は約束したん…」


と言いかけながら大智が急に倒れた


すると


「総長、すんません。一旦俺らは抜けます」


亮一が璃羽都に誤り、大智を抱えて病室から出ていった。


そう。大智が倒れたのは亮一が気絶させたからだった。


大智達が出ていくと病室はまた静かになり、重たい空気が流れたが


「雷鬼の総長さんはどう思う?」


咲夜が璃羽都に質問してきた。


「何の話だ?」


「未雨の話だ。お前は未雨は目を覚ますと思っているか?」


そんなの…


「覚ますに決まってんだろ!」


迷わず俺が答えると


咲夜は優しく微笑み


「それならいいんだ。お前、さっきから不安な顔してるじゃねぇーか」


「俺はてっきり、お前は未雨の目が覚めないと思ってるのかと思ったぜ」


咲夜がそう言うと


「確かに、咲夜の言う通りだぜ。お前がシャキとしないでどうすんだよ。未雨のこと信じれっつーの」


普まで言ってきた。


「未雨なら大丈夫だ。未雨は約束は破らねぇーんだよ。無事に雷鬼の元に帰ると言ってたんだ。必ず帰ってくるさ」


詩雨…


みんなも未雨を信じてるんだな。


未雨…


「早く…帰ってこい」


俺はそう思いながらずっと未雨の手を握っていた。


「未雨。俺は…待ってるから」


「未雨…」
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