死にたがり屋の少女は暴走族と・・・

【未雨side】


私は確か璃羽都を庇って撃たれたんだっけ…


ってことは私…死んじゃったんだ。


璃羽都はあの後大丈夫だったかな?


どうせ死ぬなら…あの時言えばよかった。


最後の最後で自分の気持ちに気づいちゃったんだもんな…。


詩雨や咲夜、普に雷鬼のみんなも無事かな?


「ねぇ、神様。みんなのことは助けてくれた?」


真っ暗な場所で私は1人呟いた。


私の命でみんなが助かったなら…それで…いい。


でも…本当はもっと生きたかった。


散々、死にたいって言ったのに…


散々、死のうとしたのに…


今は生きたくて、生きたくてしかたない


神様はほんとに意地悪だよ。


それとも、私が今までしたことへの罪…?


「もっと…もっとみんなと一緒にいたかった…」


泣いたって無駄なのはわかってる。


けど、泣く以外にどうすればいいか分かんないよ。


暗闇の中で1人泣いていると


「すぐ泣かないの。あなたはお姉ちゃんなんだから。」


「そうだぞ。泣く子には幸せ来ないんだぞ?」


と言う声が聞こえてきた。


「こら!貴方ってばそんな事言わない!本当に幸せ来なかったらどうするの?」


「えっ?えっと…来ないことはないと思うが…」


何?この会話…


どこから聞こえてるの?


辺りをキョロキョロ見渡していると


前の方から足音がしてきた。


その足音は私の近くで止まり、顔を上げて足音をしたところを見ると


「っ…。」


「お母さん…お父さん…」


そこには死んだはずの2人がいた。


「やっほ〜。元気してたか?」


なんて呑気なお父さんと


「今まで苦労かけてごめんなさいね?」


私に謝るお母さん。


死んだふたりが居るってことは…


「私はほんとに死んじゃったんだね」


死を確信した。


「そっか…。ほんとに死んじゃった…」


そう呟くと私の目からは涙が溢れてきた。


「未雨…」


「せっかく…お父さんやお母さんに会えて、念願だった死が訪れたはずなのに、今はちっとも嬉しくない。」


「死にたくない。生きたいって思えて…自分の気持ちにも気づけたのに…死んじゃったんだ。」


泣きながら言うと
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