死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
下に降りると昨日のお菓子のゴミや酒のボトルとかがそのままの状態だった。


みんなあの後片付けもしないで寝ちゃったんだ…


と思いながら私がゴミを拾っていると


「未雨、おはよ。そう言えば璃羽都が呼んでた。外の方にいるはずだから行って来なよ。」


さっきドア越しに話した詩雨に話しかけられた。


璃羽都が呼んでる?


もしかして昨日のこと?!


まさかねぇ…


私はゴミ袋をその場において外に出るとバイクを磨いている璃羽都が。


「璃羽都…おはよ」


今、普通に挨拶できた…よね?


できるだけ動揺しているのがバレないように話し続ける。


「は、話って?」


と聞くと


「おぉ。おはよ。実はさ…」


璃羽都の口から出てきたのは


昨夜、家に帰ろうとした雷鬼の下っ端達が襲われたことだった。


「一体だれが…」


「みんなは無事だったの?」


「あぁ。軽傷だ。」


良かった…


とホッと胸を撫で下ろすと


「フッ…」


璃羽都が少しだけ笑った。


ん?


私何かおかしいこと言った?


なんて私の頭はハテナだらけ。


するとそんな私を見て


「お前が人の心配するなんてな。」


っ…そうだ。


詩雨や、美月の心配はしたことあったけど、雷鬼の下っ端の子たちまで心配したことなんてなかった。


でも、今は雷鬼のみんなもとても大切。


「私も未だに信じられない。」


と笑って言う。


そして真剣な顔をして璃羽都を見て


「話はそれだけじゃ…ないんでしょ?」


と私が聞くと


「勘が鋭いな」


そう言い、璃羽都は再び話し出した。
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