死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「俺らは前に進まなきゃいけねぇーんだよ。」


「いつまで…いつまでもこのままでいる気なのか?」


「一生、進まない気なのか?」


「兄貴達はこれから交戦があるんだろ?兄貴がこんなんでどうすんだよ!」


希璃都…


希璃都も璃羽都のこと心配してるんだよね。


進む…とか、私には分からないことだけどこれだけはわかる。


璃羽都は過去に囚われてるんだ。今も…


私は横目でチラッと璃羽都を見ると


「…俺だってわかってる」


なんて言って、下を向いて拳を握りしめている璃羽都が。


「兄貴…。俺さ、兄貴のこと心配なんだよ。目を離せばまた俺の前から消えそうで。」


「兄貴はわかってるだろ?大切な人が目の前から消えた時の気持ち。」


そう言って希璃都は立ち上がり、私の横に来てある紙を私の手に握らせ


「今日は俺、雷鬼の倉庫で寝泊まりするから。また改めて来るわ。」


と言って家から出ていった。


希璃都が出ていってからも璃羽都はそのまま放心状態だった。


璃羽都…


私はなんて声をかけていいかわからず、結局そのまま何も言わずに部屋に入っていった。


あんな璃羽都初めて見た。


璃羽都のことを考えていると


希璃都に渡された紙のことを思い出し、その紙を開いてみると


『俺の電話番号!!何かあったらいつでも電話して!後、話したいことあるから、2日後の14時に1人で○○喫茶に来て』


と書かれていた。


話したいこと?


一体なんなんだろう。


まぁ、行ってみるしかないか。
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