死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
璃羽都に、そんな過去があったなんて思いもしなかった。


いつも明るくて、楽しそうだったから…。


でも、璃羽都がたまに見せる暗い表情の意味がわかった気がする。


だから璃羽都は私に"死ぬな" "俺の前から消えないでくれ"なんて言ったんだ。


璃羽都の過去を知った上で、私ができることはただ一つだけ。


私は自分を責めている璃羽都を抱きしめてあげることしか出来ない。


私は璃羽都をそっと抱きしめた。


璃羽都はビックリしたのか


「えっ?」


と声を出したが、私はそのまま抱きしめ続けた。


すると璃羽都は今まで止めていた涙をながしだした。


璃羽都も辛かったんだよね。


私もその気持ち、わからなくはないから。


大切な人たちが突然消えた時の気持ち。


その気持ちは言葉で表すことはできない。


だからこそ私は…


「私は璃羽都のそばにいるよ。」


璃羽都が大丈夫になるまで。
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