死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「っ蒼弥!!」


「お前、今日は…」


驚いて何かを言おうとしている璃羽都に対して蒼弥は


「俺、仲間のピンチをほっとくほど落ちぶれてないんで」


蒼弥はそう笑顔で言い、


「霖也たちを潰すんだろ?ここで倒れたら元も子もねぇーぜ?」


「ほら。さっさと寝てこい」


蒼弥は総長室の前まで璃羽都を連れていき


「未雨ちゃん、璃羽都を見張っててくんねぇ?」


蒼弥はそう言ってウィンクをし、私の横を通り過ぎて下に向かっていった。


蒼弥って普段ちょっとアレだけど…


こんないい一面もあったんだ…


なんて本人には言えないけど。


と思いながら、総長室の扉の前で立っていると


「未雨、お前も中に入っとけよ。俺、いつ起きるかわかんねぇーし…」


「それに…俺の事見張っとくんだろ?それなら、中の方がいいだろ」


と言われ、私も中に入ることにした。


総長室は以前入った時とあまり変わっていなかった。


総長室に入ると、璃羽都はすぐにベットに横になり、数分もしないうちに璃羽都は眠りについた。


それから私は総長室を見渡していると


璃羽都の香りがする…


って何思ってんだろ!!


今のは…変態発言だよね…?


さすがにやばい!


アッチの世界にだけは言ってはダメ!!


なんて思っていても


「いい匂い…」


って、また思ってた!!


何も思うな!匂いを嗅ぐな!!


璃羽都が寝ている間、私は私の中の私と闘っていた。
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