死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
俺は用心しながら封筒を開けると


そこにはただの紙1枚だけが入っていた。


やっぱり紙か。


なんて書いてんだ?


俺は手紙を読み終えると頭が真っ白になった。


『今日の目標は達成だ。お前の大事な女は預からせてもらう。せいぜい足掻け。』


は?


大事な女は預からせてもらう?


もしかして…


「っ…」


俺は紙を握りしめたまま倉庫に入り、未雨がいた所へ急ぐ。


が、未雨はいなかった。


「…未雨?」


嘘…だろ…


「…クッソ!!」


完全にやられた。


こっちが狙いだったのか。


俺はどうすればいい?


まずはアイツらんとこ攻めに行くか?


だが、今は…


考えてる時間すら惜しいってのに。


璃羽都がひとり部屋の前で考えながら立っていると


「璃羽都、こんなとこで何してんだ?」


突然蒼弥が話しかけてきた。


蒼弥なら何かいい方法あるかもしれねぇ。


そう思った俺は蒼弥に全て説明すると


「はぁ?未雨ちゃんが…」


蒼弥は驚きを隠せないと言うような顔をしたがすぐに戻り


「お前も早く未雨ちゃんとこ行きたいはずだが、少し待て。」


「俺に…考えがある。その前に、みんなの怪我が完治してからだ。」


蒼弥は冷静だった。


俺のせいだ。


みんなに傷をおわせちまったのも、未雨が攫われたのも。


全て。


そう思っていると


ドカッ!!


「いってぇ…何すんだよ!」


俺は蒼弥に殴られた。
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