死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「しっかりしろ!」


「お前1人のせいじゃない。」


蒼弥は俺が思っていたことを見透かしていた。


「責任はお前だけじゃない。俺やここに居るみんなにもある。」


蒼弥がそう言うと


「そうだ。俺らにも責任はある。」


そう言いながら階段から遥輝が顔を出した。


「遥輝お前…」


「最初から聞いてた。」


聞いてたのかよ…


「お前は1人で背負い込みしすぎなんだよ。少しは俺らにも頼れよ」


遥輝…


「この際だから言っとくがなぁ、お前1人じゃ何にもできねぇーぞ?」


「喧嘩は強いかもしんねぇーが、大人数で来られれば負ける。頭は悪いし、みんなをまとめる力もねぇし、容量も悪い。」


ズバズバ言う遥輝に対し


「遥輝?!」


蒼弥も驚きを隠しきれず遥輝の名を声に出すが、遥輝はそれでも止まる様子はなかった。


「でも、お前には仲間がいんだろ?」


「お前を慕ってる奴らだっていっぱい居る。お前は1人じゃねぇーんだから、俺らも頼れよ。」


「お前が出来ないことは俺らが代わってやってやる。俺らは昔からそうだっただろ?それに、俺は昔からお前の味方だ。」


遥輝…


そう…だよな。


わかってた。俺に仲間が居ることは。


けど、本当に仲間なのかわからなかった。


俺が縛っているんじゃないかと思ってた。


ただ、逆らえなくてこの場にいると…。


けど、今よくわかった。


こいつらは俺の仲間なんだって。


信用しても、頼っても良いんだって。


「そうだったな。昔から…」


昔から俺たちはそうだった。


「蒼弥、遥輝ありがと」


「それと…これからもよろしく頼む」


と俺が言うと


「おう」


「しゃーねぇーなぁ」


と2人は笑顔でそう言ってくれた。
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