死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
【咲夜side】


雷鬼の総長が先に進んで行くのを見届けると敵を倒しながら普が俺に話しかけてきた。


「…本当に行かせて良かったのか?」


「…」


仕方ないさ。


「あれはそうするのが正解だった。」


未雨を助けるためにはそれが一番だ。


「俺はまだあいつらを信用できない。けど…」


「…けど?」


「今はそれが最善だと思った。あいつらだって未雨を助けたい気持ちは俺らと同じだと思ったから。」


「咲夜…」


そう。まだ信用した訳じゃない。


ただ…今は同じ気持ちだから先に行かせただけだ。


「…お前だってそうだったから行かせたんだろ?」


普段なら、絶対止めただろ?お前は。


「普。お前のことはお前の家族の次、または家族と同じくらいよくわかってんだよ。」


と言うと普は鼻で笑い


「じゃあ俺も言わせてもらうが、お前のことは俺がよくわかってんだよ。お前の家族の次かまたは家族と同じくらい…な。」


その言葉を聞いて俺も普と同じように鼻で笑う。


普もよく言うぜ。


「こいつらぶっ倒してさっさと未雨っとこ行くか!」


「あいつらに先越されねぇーように!」


普…


そうだよな。未雨のことを大事に思ってんのは俺らも同じだもんな。


「おう!」


そう言って俺らは敵を倒すことに集中した。


未雨、すぐにお前を助けるから…もう少しだけ待っててくれ。


そう思いながら。

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