死にたがり屋の少女は暴走族と･･･
【優斗side】


俺は7歳の頃に親に捨てられ、住む所も食べるものもなく、死にかけていた時だった。


「お前そんな格好でこんな時間に何やってんだ?!」


「今、夜中の1時だぞ?!それにこんな真冬にそんな薄着で寒くねぇーのかよ?!」


「......」


「だんまりか？」


この人...誰だ?


なんで俺に話しかけるんだ?


「お前、家は？」


俺の家?そんなもの俺には


「.....ない」


そう言うと男の人は口をﾊﾟｯｶﾘあけて


「はぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」


大きな声で言った。


「お前もしかして......。わかった。その格好でここにいるのは寒いだろうから、一旦俺に着いてこい」


俺はよくわかんなかったけど、その人に着いてくことにした。


この人は...何がしたいんだろう。


「着いたぞ。ここだ。」


そこにはたくさんの人がいて、みんなが俺を歓迎してくれた。


あとから知ったが、俺をbaideddoの倉庫へ連れてきてくれた人は霖也さんだった。


霖也さんとbaideddoの人たちは本当に優しくて、倉庫は居心地が良かった。


そう、あの日がくるまでは....あいつらがあらわれるまでは。


あいつらヤクザが来てから霖也さんは変わってしまった。


人を殺すこともためらわない、血も涙もない人になってしまった。


だけど俺は霖也さんに救われた。そんな俺には霖也さんを裏切ることも見捨てることも出来なかった。


そんなときだった。


霖也さんは俺と同い歳ぐらいの女の子、未雨を連れてきた。


その子の目にも光がなかった。昔の俺のように。


未雨が来てから霖也さんは良い方にまた変わった。


未雨が来てから、昔のように優しい笑みを見るようになった。


だから俺は全て元に戻る。そう思った。


そう思ったのに、そんな時またあいつら...ヤクザが来た。


そしてあいつらは霖也さんに嘘を吹き込ませた。


「霖也さんの親を殺したのは今の雷鬼の総長、璃羽都の両親だと。」


「璃羽都の両親のせいで霖也さんの両親は死んだ。と言い聞かせたんだ。」
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