死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
そんなこと…


「なぁ璃羽都。お前に俺の気持ちがわかるか?」


「わかるわけないさ。幸せに暮らしてきたお前なんかに。」


んなの、わかるわけ…


「俺が霖也の気持ちなんてんかるわけねぇーだろ!」


俺はお前じゃないんだ…


「なんで、なんでその時に何も言ってくれなかっだよ!」


どうしてその時に言ってくれなかったんだ!


俺は霖也に声をあげた。


「どうして…何も言わずにそっちに行っちまったんだよ」


「霖也、本当はわかってるだろ?」


本当はわかってるはずだ。そこは霖也の居るべき場所じゃないとこってことぐらい。


「戻ってくれよ。昔の…俺が尊敬してた霖也さんに!」


霖也…さん…


「ごちゃごちゃうるせぇーんだよ。俺は…俺は…。」


霖也はそう言って銃を構えた。


「俺はお前が許せない。だから…ここで死んでくれ。璃羽都」


「っ…!」


霖也…さん…。


もう、本当に昔のようには戻れないのか?


尊敬してた霖也さんには戻ってくれないのか?


俺は拳を握りしめ、前を向き直した。


それなら、俺が霖也さんを止めるしかない。


俺が止めないで誰が止めるって言うんだ。


「行くぜ璃羽都」


「しかたねぇーよな。」


そう呟いて俺は霖也の元に走り出した。
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