死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
大輝さんは正義感の強い人。


それに…仲間思いの人。


そんな人がこの事実を知って黙って見ているわけがない。


大輝さんはみんなを巻き込まないように1人で行動し、ついにヤクザの居場所をつきとめた。


大輝さんはヤクザに復讐という名の殺人を辞めさせようと必死に説得し続けた。


殺人を辞めさせるために、あいつらの命令にも仕方なく従った。


なのに、ヤクザは霖也に近づいた。


それを知った大輝さんは霖也をそっちに行かせないため何度も霖也を説得しようとしたが無理だった。


だからヤクザの元へ行き、霖也を殺さないよう頼んだ。もちろん、私たちのことも。


それと引き換えに自分の命を奴らにあげたんだ。


「嘘…だろ…」


「璃羽都。これが真実だったんだよ。」


私も初めて知った時は言葉が何も出てこなくなった。


私たちは守られてたんだ。ずっと…。


大輝さんは名前も、顔も知らない私のことも守ってくれてたんだ。


「私は霖也にさらわれてからある人と協力し、ずっと昔のことを探っていた。」


「この事実はその人と協力し、やっとのことで得られたもの。」


こっそり閉じ込められた部屋から抜け出し、ヤクザの本部に行って少しずつ情報を集めた結果だ。


だけど私たちだけではここまでたどり着くことが出来なかった。


「大輝さんはわかってたんだろうね。いつかこんな日が来ることを。」


「あぁ?」


「今私が話した内容のほとんどはある人の日記に書いてあったこと。」


「この日記は海狩陸支組の本拠地の地下牢に閉じ込められていた大輝さんの者だよ。地下牢に隠されていたんだ。」


霖也、それを聞いてもあんたの暴走は止まんないの?


「ねぇ、霖也。さっきも言ったけどあんたは気づかないフリをしてただけなんでしょ?」


「本当は璃羽都のせいでも誰のせいでもないこと。全てはヤクザが悪かったこと」


私は霖也の顔を、目を真正面から見つめた。


「本当は…悔いてたんでしょ?」


「辛かったんだよね?自分のせいで人が死んだ。自分のせいで大切な人が苦しんだ。」


その気持ちは痛いほど私だってわかる。


「もう一度やり直そ?」


そう言いながら近づくと霖也は涙を流していた。


「っ…!霖也さん」


「未雨の言う通り知ってた。薄々気がついてたんだ。」


「だけど…信じたくなかった。誰でもいいから…誰かのせいにしたかった。」


霖也…。


「すまない璃羽都。すまない未雨。すまないみんな…」


そう言いながら霖也は崩れ落ちるように地面に膝をついた。


「じゃあ霖也さん、仲直りの握手…しません?」


そう言いながら璃羽都は霖也に近づき手を出した。


「許す…のか?この俺を…」


「許す?そんな訳ないだろ?だけど、霖也さんも被害者だ。」


「そして…俺の尊敬する人だったんだ。また一から一緒にやり直そう?」


「っ…璃羽都。本当にすまなかった。ありがとう」


良かったね。2人とも…
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