死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
俺は何も出来なかった。


だから今度こそは。


「武…」


俺がもう一度名を呼ぶと


「輝…燈…。」


武は確かに俺の名を呼んだ。


「武?!お前、ほんとに武なのか?!」


「輝燈、俺を…俺を殺してくれ。もう嫌だ。」


武は確かに俺に言った。''殺してくれ''と。


ごめんな。武。


「輝燈…すまなかった。それと…ありがとう。」


その言葉を聞いた俺は武を撃った。


それを見ていた息子達は


「終わった…のか?」


「輝燈さん、本当にこれで良かったんですか?」


と聞いてきた。


俺もコレが正解だったのかは分からない。だけど、これだけは言える。


「この選択をしたことに悔いはない。」


俺は人の命を簡単に奪えるヤクザだ。


すまねぇーな武。


「さて、お前ら病院行くぞ。」


「へぇっ?」


蒼弥は変な声を出した。


「これでもう終わったんだ。大人の…俺らのゴタゴタに巻き込んで悪かったな。」


「早く帰んねぇーとお仲間達が心配すんぜ?」


俺がそう言うと遥輝と蒼弥は俺に従い、俺と一緒に病院に向かった。
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