死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
私が目覚めてから、私が倒れた後のことは蒼弥や遥輝、遥輝の父の輝燈さんから全て聞いた。


あれから2ヶ月が経った。のにも関わらず璃羽都は未だに目が覚めていない。


璃羽都もかなりの重症だったと聞いた。


けど、そんなにも起きないものなの?


璃羽都が起きないから不安で不安で仕方ない。


「ねぇ、いつになったら起きるの?」


私は個室の病室で眠っている璃羽都の隣でそう呟く。


もちろん、返事はない。


「早く…起きてよ。みんな、璃羽都が起きるの待ってるんだからね?」


眠っている璃羽都に向けて話しかけていると、病室のドアが開き蒼弥が入ってきた。


「未雨ちゃん!来てたんだね!」


「うん…。蒼弥もお見舞い?」


「そんなとこかな。」


そう言って私の隣に座る蒼弥。


「こいつもよく寝るよな。みんな待ってるっつーのにな!」


そう笑って言う蒼弥。


蒼弥…。傍からみたら本当に笑っているように見えるかもしれないけど、そうじゃない。


蒼弥も無理して笑ってる。苦笑いだ。


蒼弥だけじゃない。璃羽都が目覚めなくなってしまってから雷鬼のみんなもこんな感じだ。


璃羽都の目が覚めなくなってしまったのは私のせいだ。


全て…私のせい。


「ごめんね…蒼弥。蒼弥にそんな顔をさせちゃってるのは私のせい…」


「みんなに苦笑いさせちゃってるのも、私のせいだ」


私は下を向いてそう言った。


「未雨ちゃん?何言ってんだよ、そんな事な…「そんな事あるよ!」


私が…


「私が霖也に誘拐されなければ…雷鬼のみんなに、璃羽都に出会わなければ…」


拳を握りしめながら俯いて言うと


「そんな事ねぇ。こうなっちまったのは未雨ちゃんのせいでも、誰のせいでもないよ。」


誰のせいでもないないならなんで璃羽都は眠り続けてるの?


蒼弥は、雷鬼のみんなは優しすぎるよ。


「未雨ちゃん。璃羽都を信じよーぜ?こいつは絶対に起きる。」


「俺らを置いてこいつが一人で行くわけねぇーだろ?」


蒼弥…今はその言葉信じてもいい?


「そう…だよね。璃羽都が私たちを置いてくわけないよね」


お願い神様。


どんな……どんな罰でも受ける。


なんでも……聞く。


だから、


お願いだから璃羽都を…


璃羽都を返して。


璃羽都が目を覚ましてまた笑っている顔を見せて。


璃羽都の笑顔がまた見れたら…


その時は私…
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