死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
【璃羽都side】


暗くて…冷たい…


ここはどこなんだ?


あれ?俺は今まで何してたんだっけ…


まぁ、どーでもいいか。


考えるのがめんどくさくなってきた。


ここは暗くて冷たい場所。光もない。


「少し…寝るか」


どうせ俺はここに一人でいるんだし…。


寝ても…いいよな?


あと少しで俺の目が完全に閉じるという時だった。


「璃羽都……」


「璃羽都……」


俺の名を呼んでる?


誰…なんだ?


なんで、お前は泣いてるんだ?


俺の名を呼ぶ彼女は泣いていた。


お前の泣いてる顔なんて見たくない。


「お前は…誰なんだ?なぜ、泣いてるんだ?」


「泣かないでくれ。お前に泣かれると…困る。」


なんで…泣いてるんだ?


何回問いかけても返事はない。


彼女に俺の声が届かない。


俺は…彼女のことを知っている。なんでか分からないけど、知っている。


彼女が泣くと辛くなる。


「璃羽都…起きてよ。目を…さましてよ」


彼女が泣いてる。戻らないと!


そう思った時だった。俺の目の前に一人の女の子が現れた。


「どこに戻るの?あなたの居場所はここよ?」


俺の居場所はここ?


違う!俺の居場所は…。


「俺はあいつの元に帰る!」


「あいつって?なんでその子の元へ帰らなきゃいけないの?」


「…」


泣いている彼女の元に帰らなきゃ行けない。


「約束…したんだ。」


「約束?誰とどんな約束をしたの?」


《……が心の底から笑えるようにしてやる》


《みんなで倉庫に帰るぞ。約束だ》


俺は確かに約束したんだ。


あいつ…未雨と!


「璃羽都、思い出したんだね。」


「っ…!璃莉!なんでお前がここに…」


俺とさっきから話していた女の子の正体は妹の璃莉だった。


「なんでって…璃羽都がここに来るからじゃん。」


来たくて来たわけじゃ…。


「私、言ったよね?私の分まで生きてねって。」
< 265 / 276 >

この作品をシェア

pagetop