死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
確かに言ってた。


「妹の最後の言葉を忘れてたって言うの?ハァー」


璃莉は分かりやすい大きなため息をはいて


「お説教は今度にしてあげる。今はそれより…」


ん?


璃莉は俺に近づいてきて、俺をゆっくり抱きしめた。


「璃羽都。私のせいで傷つけちゃってごめんね。それからありがとう。」


「私、ちゃんと言えてなかったよね?」


璃莉…


「死ぬ前にも言ったと思うんだけど私、璃羽都のことも希璃都のことも大好きだから!」


「だからさ、長生きしてよ。大切な人と…未雨さんと」


璃莉……って、


「なんで未雨のこと!」


俺がビックリして聞くと璃莉は分かりやすく''やっちった''と言う顔をした。


「私、ちゃんと璃羽都たちのこと見てたんだからそりゃー分かるよ。璃羽都のことが心配で心配で成仏できなくてさぁ…」


なんて呆れ顔で言う璃莉。


「でも、もう安心だね。璃羽都にも大切な人が出来たんだ。」


「璃羽都、もう行きなよ。これ以上いるとほんとに帰れなくなっちゃう。」


もう、別れ…なのか…


俺は余程分かりやすく落ち込んでいたのだろう。


「そんな顔しないでって。いずれまた会えるよ。どこかできっと。」


「璃羽都、あそこの光見える?そこに向かって歩けば元に戻れるから。」


「じゃあね」


そう言って手を振る璃莉に俺は


「俺も大好きだ」


そう言って光の方へ歩き出した。
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