死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
なんか....頭を撫でられてる感じがする....


この手の暖かさ....璃羽都の手みたい


暖かい...


ん?


璃羽都の手?!


私は勢いよく顔をあげた。


「起こしっちまったか?」


私の目の前には笑って頭をかく璃羽都がいた。


「目が....覚めたの?」


「あぁ。遅くなってごめんな」


やっと....目を覚ましてくれた..


「遅いよ....バカ」


「待たせたな。未雨、ただいま」


「おかえり....璃羽都」


その後はすぐに医者を呼び、璃羽都の身体に異常がないかを確認してもらった。


「うん。だいぶ良くなってるね。これなら来週ぐらいには退院できるね」


璃羽都の回復力は高く、目が覚めて2週間後には退院が決まった。


もちろん璃羽都の目が覚めたことを知った雷鬼のみんなは大勢で璃羽都の病室を訪れた。



そこまではまだ良かったのだが、大声で騒いでしまったので看護師にすぐに追い出されてしまった。


そんな様子を見ていた璃羽都は眠りにつく前のように笑っていた。


もう、十分だ。


璃羽都の目は覚めたし、また笑っているところを見ることもできた。


これ以上、みんなに迷惑はかけきれない。


それに......私がいるとみんなを不幸にしてしまう。だから私は...。



「ねぇ璃羽都、少し話をしてもいいかな?」


私はここから離れることにする。
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