死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「未雨に会いたくて…さ」


会いたくてって…。どうしてここに私がいることを…


っ…!詩雨…か…。


詩雨なら有り得る。


「5年前、急に未雨が消えて…俺、ものすごく心配したんだぞ?」


璃羽都…背…伸びたな。


柔らかい話し方は変わってないけど、声は前より少し低くなってる気がする。


そうだよね。あれから5年も経ったんだからそりゃー変わるか。


「おい、聞いてるか?俺、真剣に話してんだけど…」


「ご、ごめん…」


全くきいてなかった…


「俺さ、退院したらお前に言いたいことあるって言ったよな?」


「あっ…」


そんなこと言ってたような…


「退院したら話そーと思ってたのに、みんなに聞いたら消えたって言うし…お前は連絡つかねぇーし…。どれだけ心配したか…」


璃羽都…


「なんで俺から…俺らから離れたんだよ。なんで…目の前から姿消したんだよ」


「何?あれか?俺らに迷惑かけるなんて言う理由か?」


「っ…それはっ!」


「…んなよ。」


ん?


「っ…舐めんな!俺らをなんだと思ってるんだよ。お前のせいで俺らの迷惑になる?俺らが不幸になる?」


「笑わせんな!俺らはそんなに弱くねぇーよ」


そんなのわかってる。


誰よりも私がわかってる。みんなが弱くないことぐらい…。


「でも…それとこれとは違うんだよ。」


「何が違うんだ?少なくとも俺にとっては一緒だね」


そう怒った顔をして言う璃羽都。


「全然違うよ!喧嘩は…心は強いかもしんない!だけど!」


「だけど…事故とか…病気とかにはかなわない!」


「私がいるときっと良くないことが起きる。」


「璃羽都は全然わかってないよ!」


事の重大さがわかってない…。


私は疫病神なんだよ。
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