死にたがり屋の少女は暴走族と･･･

｢ねぇ、璃羽都。本当にこれでよかったの？」


｢良かったんだよ。」


｢本当に？本当に私をそばに置いてて大丈夫？」


まだ…怖いんだよ。


大切な人が再びいなくなることが。


｢何も恐れんなって。俺が絶対そばで守るから。」


璃羽都…。


｢なんかそれ、告白みたい。」


｢は？告白のつもりなんだけど…」


｢えっ？」


｢ん？」


いま…なんつった？


告白の…つもり？


｢璃羽都…彼女いるんじゃないの？」


｢はぁ？いるわけねぇーだろ！つか、いたらんな事言わねぇー！」


確かに…。


｢ってか、俺、そんなに最低なやつじゃねぇー！」


だって詩雨…


『なぁ未雨聞いた？雷鬼に新しい姫が来たんだってさ。』


『それも、5年空白だった席がようやく埋まったってメンバーみんな喜んでるんだってさ。』


『俺の友達、今雷鬼に所属しててさ…。そいつが言ってた。』


確かにそう言ってた。


｢雷鬼に新しい姫が来たんじゃ？」


｢来たけど？それが？」


えっ？姫って恋人みたいなものなんだよね？普通は…。


私は例外だけど…。


｢姫がいるのに、なんで私に告白なんか！ってか、璃羽都私の事好きじゃないでしょ？」


｢は？いや、待て。何を勘違いしてんだ？」


いや…勘違いも何も事実を言っただけなんだけど…。


｢はっきり言うけど、俺が好きなのは未雨。5年前からずっと」


｢っ…！！」


｢それに、俺彼女なんていねぇーし」


じゃあ姫は？


｢偽姫ってこと?!」


｢俺らはもう引退してんだよ。」


引退？引退ってあの引退?!


俺らって…


｢俺と蒼弥と遥輝は5年前に引退してんだよ。」


｢遥輝は家を次ぐため。」


家って確か…ヤクザかつ、財閥の？


｢蒼弥は恋人といたいんだってさ。」


｢ふーん…って、蒼弥に恋人?!」


あの、蒼弥に恋人?!