死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「肩の力抜いて!!後、私のことは夏那って呼び捨てで呼んでよ。その方が距離感が近い感じがするでしょ?それと、敬語はなし!」


「あっ…うん。」


なんか美月と似てるタイプだな…


明るくて…いい子。


「それにしても未雨ってちょー可愛い!!コーディネートするのがとっても楽しみ!!」


と大はしゃぎする夏那。


「可愛い?私が?」


「うん。とっても!!」


それを言うなら…


「私より夏那の方が可愛いよ。」


私が笑顔で言うと


「ほんと?嬉しい!ありがと!!」


と言って抱きついてくる夏那。


夏那ってなんか妹みたい…


と考えていると


「会うのは2回目だよな?」


私の後ろから声がして振り返ると


「あぁ、名前言ってなかったな。俺の名前は神楽 遥輝(かぐら はるき)。で、夏那の彼氏。夏那のこと、よろしくな?」


「こちらこそ。」


と言って店に入ろうとした時だった。


「待て。」


「ん?」


遥輝に呼び止められ一通りの少ないところに連れてこられると


「あいつさ、友達いねぇーんだよ。」


「っ…?!」


あの明るくて可愛い子に友達がいない?


「あいつ、あんなキャラだから嘘だって思うだろ?だけどよ、あいつ本当は弱虫で、泣き虫なんだよ。だからあいつの友達でいてやって欲しい。」


そんなのできるならずっと友達でいたいよ。


あんな子めったにいないもん。


美月と夏那だけだよ、こんな私と話してくれるのは。


「彼氏さんは…」


「ん?なんて言ったんだ?」


「やっぱりなんでもない。ただ…」


「夏那なら大丈夫だよ。きっと…ね?こんな彼氏さんも居るみたいだし…。って言いたかっただけ。では。」


と遥輝に言って私は店に戻る。


「あいつ…蒼弥の言った通り変わってんな…」


と呟いて遥輝も未雨に続くように店に入った。
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