死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「ん?」


ここは…


そうだった。私はあの後泣き崩れて…


とあわてて体を起こす。


「私は…」



「泣き崩れてそのまんま寝たんだよ」


そうだったんだ…


「で、私を殺してくれる?」


「なぁ、俺の話聞いてたか?殺さねぇーって言ってんだろ?」


殺してくれないんだ。どうして?殺してくれないの?


「ねぇ、なんで?なんで殺さないの?」


「そんなの当たり前だろ。人を殺して良いわけがない。昨日も言っただろ?」


昨日?


「お前名前は?」


名前?名前なんて言って意味があるの?


「好きに呼んでいいよ。」


「好きに呼んでいいって言われてもなぁ…」


「じゃあ、そっちから名のったら?」


そういうと男の人は


「俺は桐ヶ谷 璃羽都(キリガヤ リウト)。17歳。で、次はお前の番だ。」


そう名乗るとわたしの名前を聞いてきた。


でも私は


「別に死ぬ人の名前なんて聞いても意味ないじゃん。」


と名前を結局言わなかった。
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