終わりから始まる恋
大学の頃の話だ。

俺は周りから恐れられていた。
特に何かしたとかではない。
生まれつきの銀髪に鋭い目つき。
小学生の時に盛大に転けて頬にできた傷痕。
少々悪い、言葉遣い。

周りは影で鬼殺しの杉田総悟と呼ばれていた。
下らない話だ。

初めて会う奴らには怖がられていた。高校の時からの友達もいたし大学生活は不自由はなかった。
それにすぐ他の奴らとも打ち解けサークルにも入った。

「あ、あの子って」「可愛いな彼女いるのかな?」「声かけてみようかな!」
高校の時から一緒で一際目立つ、花守すみれは大学でも有名だった。

確か初めて話したのは高校2年の時だった。
クラスが一緒で、朝友達と戯れていると
「ねえ、邪魔。暑苦しいわ。」と言うと自分の席に座ったのだった。
初対面であの態度はねぇーだろと思いながら
「はぁ〜さーせん」と一応答えた。

あれから何かと突っかかってくるようになったのだ。兎に角、俺は奴が嫌いだ。
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