愛は惜しみなく与う⑦

「しっかりしなさい。何度も言われてきたと思いますが、今がその時です。自分の足で立って、杏様の隣に並んでみなさい。後ろではなく……隣に立てるように。情けない姿を見せたら即座に海外に飛ばしてやりますからね」


志木は本当に優しい
私を叱ってくれる大事な人だ。
どうして優しさと感じ取れなかったんだろう。お姉ちゃんには優しくて、私には冷たいんだと思ってた。

でも志木はずっと、私の事を考えて話してくれてたんだね。

海外に飛ばすか…


本気でやられそうだな

志木の顔を見て笑う


そっか


私の周りには、こんな素敵な人たちがいたんだな……
勇気をもらえた。

正直まだ、サトルのことは好き


おかしな事とか、気になってることは山ほどあるけど、好きなのは事実。


だから知りたい


どうしてこうなったのか。
サトルがどうしてお姉ちゃんを好きなのか。



サトルはいつもと変わらない目で私を見る。


「聞きたいことがあるの」


お姉ちゃんと泉さんも、近くに居てくれている。


だから大丈夫

私は話さなきゃいけない。どんな残酷な現実でも受け止めなければいけない
< 100 / 404 >

この作品をシェア

pagetop