愛は惜しみなく与う⑦
「あんたの周りには集まってきた人たちは、あんたに期待しててん。サトルなら…この世の中の理不尽をぶつけてくれるなって。傷つけた奴らに仕返ししてくれるなって思ったんやと思う。知らんけど」


関西人特有の知らんけどをお姉ちゃんは最後につけてそう語った。

でもなんだろう。すごく分かる気がする


サトルの周りにいた人たちは、世の中なんてクソ食らえと思っていた。
優しさなんてない。全部壊したい。そんな感情が受け取れた。


「その期待は悪い方に向かってしまったんやけどな。」



サトルはそれを、理解きてるのかしてないのか分からないけど、それに応えるように悪いことを先頭になってしていたんだと思う。


サトルの周りにいた人たちは、サトルを崇めていたから。其れこそサトルに期待してたんだろう。



「はい、じゃあ、サトルがあたしを欲しくなった理由はなんとなく分かったやろ?後は?何を知りたい?言葉にできひん感情がまだあるはずや」


面倒やけど一つ一つ答えてあげるで


お姉ちゃんはそう笑った


そしてサトルはそのお姉ちゃんの笑顔を見て、瞳を大きく揺れた



「俺はお前の笑う顔が好きだ。でも、ぐちゃぐちゃにしてやりたくもなる。泣いて歪ませてやりたくなる」
< 124 / 404 >

この作品をシェア

pagetop