愛は惜しみなく与う⑦
「だからなんだよ。だからって?だから俺はお前の笑顔をぐしゃぐしゃにしたいのか?」
「理解力のない奴やな!」
やれやれ
そう言いたげなお姉ちゃんに、こっちがヒヤヒヤする。さっきまでナイフを持って暴れていた人よ?
でも、サトルはそんな事どうでもいいのか、ただ自分の心を知りたい
そんな風に見えた。
「ヤキモチ妬いてるんちゃう?」
「…は?」
「いや〜あたしもそう言う気持ちは苦手なんやけどさ。自分で言うのも恥ずかしいけど、あたしが他の人に笑いかけてるのがムカつくだけちゃう?独り占めしたいてきな?自分が居ない環境で、あたしが笑ってるからかな?」
「はぁ…まぁ確かに。それは俺にも分かる。お前が金髪に笑っていると殺したくなる」
「ちょっとそのヤキモチが過激すぎるだけちゃう?知らんけどな」
三度目の知らんけど
なんでお姉ちゃんは、サトルと普通に話してるのか。おかしな空気に志木を振り返れば、黙って聞いとけとでも言いたいのか、顎で前を向いておけと指示される。
居心地が悪い…